6月10日(金)、Noismの劇的舞踊シリーズ最新作であり、平田オリザ氏が脚本を手掛けたことでも大きな話題を呼んでいる「ラ・バヤデール―幻の国」第1幕(約60分)のリハーサルがマスコミ向けに公開された(於りゅーとぴあ・劇場)。

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〝五族協和〟を掲げる草原の小国を舞台に展開される、男女の愛憎と民族・政治を巡る暗闘。Noism1・2メンバーの圧倒的に美しい身のこなし、「SPAC-静岡県舞台芸術センター」所属の3名の俳優陣の堂々たる口跡、ダイナミックに物語を展開させる平田脚本、色彩と造形の妙に驚かされる宮前義之氏の衣装、シンプルでいながらイメージをかき立てる田根剛氏の空間造形と近藤正樹氏による木工美術…。各要素が有機的に溶け合い、時を忘れるよう。
時々、芸術監督・金森穣氏の大きな声が飛び、照明や音楽のタイミングに修正を加えて舞台の精度をより高みへ届けようという、気迫が伝わってきた。

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4月23日の「柳都会」で平田オリザは「この作品はバレエの歴史に爪痕を残すだろう」と発言したが、囲み取材で金森氏は、「爪痕どころか、骨まで砕けるような傷を残せそう」「我々の創作する芸術の質と、エネルギーの注ぎ方を信頼して足を運んでくれる人に、損をさせないものが出来た。これが今の自分たちのベストだから」と自信を見せた。
バレエ用に作曲されたL.ミンクスの楽曲と、Noismメンバーの鍛えられた肉体とを合わせることで「誰も見たことのない表現を作ろうとしている」。

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公開された第1幕に続く、第2幕がどのような飛躍を見せるのか? 金森氏がヒントとして提示したのは“記憶”という一語だ。
「現代社会を見渡していて、一番気になるのは“記憶”。今の社会はたった数年前の災害ですら忘れられてしまう。忘却のスピードが速まっている」「歴史を語るうえで重要なのは人間の記憶。その脆弱さや、価値を(作品を通して)考察したい」。
6月17日~19日の世界初演では、どのような舞台芸術が眼前に現れるのか? 期待に胸が高鳴る。
(月刊ウインド編集部 久志田渉)

※取材記事は本番の感想を交え、月刊ウインド8月号(8/1発行)に掲載予定

●6/17の前売券は完売したとのこと。当日券については、直接りゅーとぴあへお問合せください。

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Noism最新作は、舞踊×演劇で描き出す“幻の国”。そこに生きたはずの人々の声は、今誰に届くのか。記憶と歴史、語り継がれる慰霊の物語。

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Noism劇的舞踊 vol.3
「ラ・バヤデール―幻の国」新潟公演
●2016年6月17日(金)19:00、18日(土)17:00、19日(日)15:00 ※全3回
演出:金森穣(Noism芸術監督)
脚本:平田オリザ
振付:Noism1
音楽:L.ミンクス《ラ・バヤデール》、笠松泰洋
空間:田根剛(DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS)
衣裳:宮前義之(ISSEY MIYAKE)
木工美術:近藤正樹
舞踊家:Noism1 & Noism2
俳優:奥野晃士、貴島豪、たきいみき(SPAC ‒ 静岡県舞台芸術センター)
※公演特設サイト
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉
入場料:(全席指定)
一般  S席 4000円 A席 3000円
U25  S席 3200円 A席 2400円
※U25=25歳以下対象・入場時要身分証。N-PACmate等他の割引と併用はできません。
取扱い:
▸りゅーとぴあ(窓口・電話・オンライン)
チケット専用ダイヤル 025-224-5521(11:00-19:00、休館日除く)
オンライン・チケット http://www.ticket.ne.jp/ryutopiaticket/
▸イープラス http://eplus.jp/(PC・MB共通)

★各回公演終了後アフタートークあり
6/17 平田オリザ✕金森穣
6/18 金森穣
6/19 金森穣✕井関佐和子✕中川賢✕石原悠子

★「ラ・バヤデール―幻の国」特設サイト → http://labayadere.noism.jp/
物語のあらすじやキャラクター相関図のほか、参加クリエーターや出演者による特別インタビューやリハーサル写真など掲載。

神奈川公演:7/1(金)~3(日) KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉
兵庫公演:7/8(金)~9(土) 兵庫県立芸術文化センター〈阪急中ホール〉
愛知公演:7/16(土)愛知県芸術劇場〈大ホール〉
静岡公演:7/23(土)~24(日)静岡芸術劇場