新潟市新津美術館「生誕80年 松本零士の世界展」の内覧会&トークショーに行ってきました(6/16・17)。

本展は、生誕80年を控える漫画とアニメーションの巨匠・松本零士の作品世界をひろく紹介する展覧会です。地球環境や宇宙、未来をテーマにしたSF作品を多く手掛け、夢やロマン、生きていく上で忘れてはならないことを私たちに伝えつづけています。今年は「銀河鉄道999」が誕生して40年目の年にあたります。記念すべき年に、鉄道のまち・新津を舞台に開催する本展では「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」「宇宙海賊キャプテンハーロック」ら人気作品のほか、初期の漫画作品などの直筆の漫画原稿、アニメーションのセル画、デザイン画、模型等を紹介するものです。(資料より)

会場内では松本零士作品のキャラクターたちが皆を迎えてくれます。
「銀河鉄道999」の星野鉄郎、メーテル、「宇宙海賊キャプテンハーロック」のキャプテンハーロック、エメラルダス、などなど。

展示室にはデビュー作「蜜蜂の冒険」や、初期の漫画作品「男おいどん」などのパネル展示をはじめ、TVアニメーションとしても有名な「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」の原稿やイラストなど多数が展示されています。

中には作品に関連した模型も展示されています。

作品中よく出てくる、ファンの間で有名な、いわゆる「松本ドクロ」(ドクロに骨がクロスされた、松本零士さんのトレードマーク。ご本人がいつもかぶってらっしゃる帽子にもこのドクロが)。
これにも解説がありました。
「たとえ骨になっても生き抜く」といった意味があるのだそうです。松本さんがかぶってらっしゃる帽子のドクロは赤。
これは元は白いドクロなのだそうですが、「俺はまだ生きているから、血の通った赤」という解説が。
長年「松本ドクロ」に親しんできた身としては、「ほほ~! そんな意味があったのか!」と発見です。

展示室の最後には、本展のため特別に描き下ろした新作イラストも。

松本作品といえば「銀河鉄道999」、新津といえば鉄道のまち。
本展と新津商店街、新津鉄道資料館がコラボレーションした企画もあるそうです。
商店街には松本作品のキャラクターのパネルが。鉄道資料館には「999」のヘッドマークをつけたミニSLや登場キャラクターのパネルなどがあるそうです。新津の商店街を通ったら、お茶屋さんに「銀河鉄道999」のメーテルのパネルがありましたよ!
新津美術館のミュージアムショップでもグッズを購入できます。

おせんべいに「銀河鉄道999」のイラストが入っています。

続いて、翌日は「トークショー&サイン会」(6/17)。

子供から若者、「直撃世代」の大人たち、約280人が参加。
司会のNSTアナウンサー真保恵理さんは「銀河鉄道999」のメーテルの衣装で登場。

松本零士さんは「来年80歳になります。実は石ノ森章太郎と同年同日生まれなんですよ」とファンでも知っている人は少ないような話をされ、会場がどよめく一幕も。
新津の印象について「しんみりと懐かしい感じですね。仕事がなければですが、こういう所で住みたいですね」と実家のある福岡県と風景がよく似ているとも。

「戦争中はB-29が行ったり来たりしていましたね。父は軍のパイロットで、私も空を飛ぶことに憧れていました」
お? 松本作品の代表作のひとつ「戦場まんがシリーズ」の原点はここか? なんて思わせる話も。

そもそも漫画を始めるきっかけは映写機で外国から入ってきたアニメーションフィルムをよくかけて見ていたことだとか。
「ミッキーマウスとか当時のいろんなものを見てました。そのうちに5歳の頃に封切られた『くもとちゅうりっぷ』を見に行って、アニメの世界にはまりました」
とアニメーション作品への原点を語られていました。
「偶然、同じ日に手塚治虫も同じものを見てたんですよ。石ノ森(章太郎)とは同年同日生まれでしたから、三人で自称日本三大アニメマニアと言い合ってたりしてましてね」と当時の思い出を話してくれました。

「本当なら今頃、火星にいる予定なんですよ」と思いもよらぬ発言。「JAXAに『帰れなくていいから行かせてくれ』って言って」。
「火星に行って、死ぬ前にこの目で地球を見たいんです」と80歳を迎えるいまでも衰えぬ宇宙への好奇心と、地球や宇宙を視野に入れたイマジネーションの現れを見せてくれました。

このあとは会場にてライブペイント。
「普通は下書きをするんですけれどね。大きい絵ってバランスが崩れやすくてね」
「ここは(眉と鼻のライン)に影をつけるかどうかでもね、変わってくるもんなんですよ」

とトークを交えながらも、すらすらと瞬く間に「銀河鉄道999」のメーテルを描き上げてくださいました。
まつ毛の長い、切れ長の目、長い髪、スッと通った鼻。いわゆる「松本美人」を目の前で描いてくださるのはファンとしては嬉しいイベントでした。

松本零士さんは、ご自身の作品に登場するキャラクターのように、宇宙に思いをはせ、夢を語り、宇宙海賊のように信念と自由を掲げて生きる魅力あふれる人でした。

ぜひ、新津美術館で松本作品に触れ、鉄道資料館や新津商店街でキャラクターをさがしてみてはいかがでしょう。

(月刊ウインド編集部 平 淳一郎)

※月刊ウインド8月号(8/1号)に、取材記事「タイラのイラストルポ」を掲載します。ぜひそちらもお楽しみに。

**********************************

●生誕80年 松本零士の世界展
http://www.city.niigata.lg.jp/nam/exhibitions/FY2017exh/matsumoto2017.html
会期: 2017年6月17日(土)~2017年8月27日(日)
時間: 10時~17時 ※観覧券の販売は16:30まで
休館日: 月曜日(ただし、7/17、7/31、8/14は開館)、7/18(火)
会場: 新潟市新津美術館(新潟市秋葉区蒲ヶ沢109番地1 花と遺跡のふるさと公園内)
観覧料: 一般 1000円 大学・高校生 700円 中学生以下無料
※障がい者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料
※有料20名以上は団体料金で2割引
※SLばんえつクーポン、新潟県立植物園および新潟市新津鉄道資料館の入館券持参で2割引
主催: 松本零士の世界展新潟実行委員会、新潟市新津美術館、新潟日報社、NST
問い合わせ: 新潟市新津美術館 TEL;0250-25-1300