6月23日より新潟市美術館で開催中の「阿部展也―あくなき越境者」展。その開場式&内覧会に行きました(2018/6/22)。

阿部展也(あべ のぶや、1913~71年、本名:芳文)は新潟県五泉市出身。
1937年、詩人で美術評論家の瀧口修造との共作、詩画集『妖精の距離』で一躍注目され、画家として本格的にスタート。前衛写真家としても旺盛な発表を行い、戦時中は陸軍報道部写真班員としてフィリピンへ。戦後、画壇に復帰した後は、キュビスムやシュルレアリスム、アンフォルメル、幾何学的抽象へと目まぐるしく画風を変化させている。画家、写真家、評論家、中世墓石彫刻の研究家等々、様々な顔をあわせ持ち、世界を舞台に活躍。1962年よりローマに定住、1971年、58歳で同地にて逝去。(資料より)

開場式で新潟市美術館・前山裕司館長は、さまざまな場で活躍し、作風も変化し続けた阿部展也は、まさに「越境者」であるとし、本展はその全貌を紹介していると話されました。世界を所狭しと駆け回った阿部展也にふさわしく、入り口には世界地図、最初の展示はパスポート、とのこと。

展示は、新潟市美術館が所蔵する阿部作品からの精選を核として、各地のパブリック・コレクションや個人蔵の作品、新出の資料、関連作家の作品も合わせた約550点により構成されています。

開場式後に展示を拝見しました。
五泉市出身とあって、これまでに市や県の美術館で何度か見ている作品も多いけれど、ドーンとまとめて展示されると、作品の多彩さや変化がより強く迫ってきます。
怒ったり、哄笑したり、表情豊かな顔や人形(ひとがた)が浮かぶような気がする、不思議な絵の数々。
ズラリと並べられて壮観な、大量の制作メモ・スケッチは、なんと広告などの裏紙!
フィリピン時代のスケッチの、素朴で実直な美しさ。
インドや旧ユーゴスラヴィアのスケッチや写真は、かの地の輝く陽射しを感じさせますが、歴史を思うと、より感慨深いです。
質感が面白くて、触ってみたくなるような、エンコースティック作品。
中には、どうしてこうなった??と思わず笑ってしまう作品もあり、ホントに多彩です。

皆さんもぜひ会場で、さまざまな「阿部展也」に出会ってください。
どうぞお見逃しなく!

(月刊ウインド編集部 市川明美)
※月刊ウインド8月号(8/1発行号)にも記事を掲載します

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●新潟市美術館「阿部展也―あくなき越境者」
http://www.ncam.jp/exhibition/4575/
会期:2018年6月23日(土)~8月26日(日)
時間:9時30分~18時 ※観覧券販売は17時30分まで
休館日:月曜日(ただし、7/16、8/13は開館、7/17は休館)
会場:新潟市美術館 (新潟市中央区西大畑町5191-9)
観覧料:一般1000(800)円 大学・高校生800(600)円 中学生以下無料
※( )内は団体(20名以上)・リピーター割引料金
※障がい者手帳、療育手帳をお持ちの方、および一部の介助者は無料(受付で手帳を提示)
主催:新潟市美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
問い合わせ:新潟市美術館 TEL:025-223-1622 FAX:025-228-3051

詳しくは公式サイト参照 http://www.ncam.jp/exhibition/4575/