「興福寺の寺宝と畠中光享展」に行ってきました!

シネ・ウインド


新潟市新津美術館「興福寺の寺宝と畠中光享展」の開場式&内覧会に行ってきました(2017年9月8日)。



本展は奈良県にある法相宗大本山興福寺の中金堂が、老朽化により300年ぶりに往事の姿に再建され、柱に法相宗の祖師を描いた「法相柱」もあわせて復元されることを記念して開催される巡回展で、新潟での開催は、興福寺の歌を詠んだ會津八一との縁もあるのだとか。
新潟と奈良のお寺、こんなかたちでご縁があったのですね。

なんと言っても今回の展覧会の目玉は、「法相柱」に貼られる法相宗の祖師を描いた柱絵。
等身大で描かれた祖師の絵は、インド美術研究者でもある日本画家 畠中光享(はたなか こうきょう)さんの筆によるものです。
実は、中金堂が完成すると、柱絵は高さ約10メートルもの法相柱に貼り上げられるため、間近で見る機会は今回が最初で最後の機会となるのです。
展示室では本当に間近で鑑賞でき、祖師の表情や法衣のゆるやかな質感までじっくり見ることができます。

興福寺は1300年の歴史をもつ奈良のお寺で、その歴史は幾多の戦乱や災害の中で焼失と再建の繰り返しだったとのこと。
展示室にはかつての屋根に使われた瓦もあり、歴史の重みを感じられます。
中金堂は平成30年の完成を予定しているそうで、完成時の様子がわかる模型もあります。

展示されている宝物には仏像、絵画、工芸品などがあり、国宝や重要文化財も含まれます。



開場式の後には開幕法要も行われ、美術館がいつもと違った厳かな雰囲気になりました。めったに立ち会えない貴重な時間でした。

柱絵を描いた畠中光享さんの代表作や新作も多数展示されていて、興福寺の宝物とあわせて、改めて仏教美術と日本画の美しさを感じました。仏像や曼荼羅を美術品として鑑賞するのもおすすめですし、美しさとはまた違う、「仏と時間や場所を共有する感覚」を楽しむのも、またおすすめです。

(月刊ウインド編集部 平 淳一郎)

※月刊ウインド10月号(10/1号)に、取材記事「タイラのイラストルポ」を掲載します。ぜひそちらもご覧ください。

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●興福寺中金堂再建・法相柱 柱絵完成記念
新潟市新津美術館開館20年・新潟日報140年・NST開局50周年記念
興福寺の寺宝と畠中光享展
http://www.city.niigata.lg.jp/nam/exhibitions/FY2017exh/kofukujihatanaka2017.html
会期: 2017年9月9日(土) ~ 2017年10月15日(日)
開館時間:10時~17時 ※観覧券販売は16:30まで
休館日: 9/11(月)、9/19(火)、9/25(月)、10/10(火)
会場:新潟市新津美術館(新潟市秋葉区蒲ヶ沢109番地1)
観覧料:一般 1000円、大学生・高校生 700円、中学生以下無料
※有料20名以上は団体料金で2割引
※SLばんえつクーポン、新潟県立植物園入場券、新潟市新津鉄道資料館入館券で2割引(割引併用不可)
※障害者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料(受付で手帳提示)
主催: 法相宗大本山興福寺、日本経済新聞社、BSジャパン、興福寺の寺宝と畠中光享展新潟展実行委員会、新潟市新津美術館、新潟日報社、NST
問い合わせ: 新潟市新津美術館 TEL:0250-25-1300 FAX:0250-25-1303

●会期中、関連イベントあり(HP参照)。