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チラシを見た瞬間から、心待ちにしていた「鴻池朋子展―皮と針と糸と」。
これまで新潟では「ネオテニー・ジャパン」「ジパング展」「物語の絵画」で何点かずつが展示されています。私は東京で個展「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」展を見ましたが、ここ新潟でようやく個展が開催されて、本当に嬉しいです。

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初日前日の開場式(12/16)に登場した鴻池朋子さんはとても素敵な方でした。

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開場式の後で足を踏み入れた会場には、恐くてかわいい世界が広がっていました。

ずっと眺めていたいような、一緒にうずくまっていたいような。

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ふっと吸い込まれるような気がした。

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展示室の隅に誰かいる?!

※会場内は写真撮影可

 

展覧会初日(12/17)、鴻池朋子さんのアーティスト・トーク。
神話と人間と動物の間のものとあいまいと言語化と博物学と残らなかったものと物語…鴻池さんのお話は、刺激的でとてもおもしろかったです。

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東日本大震災の後、鴻池さんは制作ができなくなり、旅に出て模索を続けてきたとのこと。
だからなのでしょう、これまでに私が見たことのある鴻池作品とは、本質は同じでも、少し違う趣を感じる作品もありました。

出身である秋田の人たちの話から作られた「物語るテーブルランナー」や、秋田の山の避難小屋に船の立体作品を設置する「美術館ロッジプロジェクト」など、「模索」は様々な形を取り、豊かに、たゆたい続けているようです。

他の展覧会場ではタテに飾られたのを、新潟ではケースの関係で横に展示したものもあるとのこと。
作者にとっても、そこには発見があり、「現場っておもしろい」と、鴻池さん。

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本展覧会の看板ともいえる作品、24メートルにおよぶ「皮緞帳」。
これはもう、本当に、じっくりじっくり見たい作品です。
他会場はもっと天井が高く、また、角度をつけた展示であったため、ずいぶん印象が違うとのこと。
天上高が足りないため、皮緞帳が床にも広がっているのだけれど、それがまた「近さ」を感じさせ、身近な印象。
その世界に入ってゆくような、包まれるような気がします。

また、作品と一緒に展示されている土器・石器は、南魚沼郡湯沢町の遺跡から出土した、縄文時代のもの。そんな新潟ならではの展示の工夫も見逃さないで欲しいです。

12月23日、アートコンプレックス&トーク「冬の遠吠え」。出演:山川冬樹(ホーメイ歌手・アーティスト)、鴻池朋子。
美術館の広い空間が、照明が落とされ、薄暗く、生き物のうごめく森になったようでした。そこに響く遠吠え、そして歌。
会場のみんなで遠吠えも。美術館で声を出すという、めったにできない体験ができました。終了後のお二人のトークも面白かったです。

実は私、開場式を含めて、今日(1/19)で5回目を、見に行ってきたところ。
毎回新しい発見があり、一緒に行く相手によっても見え方が違うんですよ。

会期も後半、皆さんもどうぞお見逃しなく。
好き嫌いはあると思います。でも、ぜひ一度は足を運んでみてください。ホントにオススメです!!

(月刊ウインド編集部 市川明美)

※月刊ウインド2月号3月号に、「『鴻池朋子展―皮と針と糸と」を味わい尽くす!」
と題した感想を掲載予定。ぜひそちらもお読みください。

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●鴻池朋子展―皮と針と糸と
http://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/%E9%B4%BB%E6%B1%A0%E6%9C%8B%E5%AD%90%E5%B1%95/
会期: 2016年12月17日(土) ~ 2017年02月12日(日)
開催時間:10時~18時 ※観覧券の販売は17:30まで
1/19以降の休館日: 1/30
会場:新潟県立万代島美術館 (新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5階)
観覧料:一般 1,000円(800円)、大・高校生 800円(600円)、中学生以下無料
※( )内は有料20名以上の団体料金
※障害者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料
主催:新潟県立万代島美術館/新潟日報社/NST
問い合わせ: 新潟県立万代島美術館 TEL:025-290-6655(代)  FAX:025-249-7577

●1/19以降の関連イベント
★トーク「針と糸は物語る~現代のおとぎ話を縫う」
村井まや子(神奈川大学外国語学部教授 比較文学・おとぎ話)と鴻池朋子による裁縫と物語と現実の不思議を巡るトーク。
日時:1月21日(土) 14時~ 展示室にて(要観覧券)
★学芸員によるギャラリー・トーク
ゲスト:坂本里英子(本展企画者、セゾン現代美術館学芸員)
日時:1月29日(日) 14時~ 展示室にて(要観覧券)こと