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新潟県立万代島美術館「スタジオジブリ・レイアウト展」開場式に行ってきました。(7/16)

男鹿和雄展や近藤喜文展など、これまでにもスタジオジブリの展覧会を開催している新潟県立万代島美術館。
長岡の新潟県立近代美術館ではこの春「思い出のマーニー☓種田陽平展」「ジブリの大博覧会展」も開催されましたし、新潟県はスタジオジブリの展覧会の機会に多く恵まれていますね。

今回の展覧会は、「スタジオジブリ・レイアウト展」。
「レイアウト」とはアニメーション作品における「設計図」にあたるものです。
実写映画におけるカメラアングルから、どこに人物を配置して動き、背景はどのような描き方をするか。
そういった画面に写るすべてを決めるのがレイアウトです。

全国を巡回している「スタジオジブリ・レイアウト展」も、スタジオジブリが生まれる前の作品から、近年の作品まで実に約1300点ものレイアウトを一挙に展示。

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開場式では北窓隆子新潟県副知事が挨拶。
「多様な文化・芸術に触れ、心豊かな文化を育てることができる、大人も子どもも楽しめる展覧会です」

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スタジオジブリ 野中晋輔取締役制作業務部長も
「万代島美術館では今回の展覧会の他、『ジブリの絵職人 男鹿和雄展』や『ジブリの動画家 近藤喜文展』など、新潟にゆかりのある展覧会を開いて頂いていてとても嬉しいです」と挨拶。
「レイアウトとは1カットごとの設計図。時間をかけて丁寧に描かれていて、監督も厳しいチェックをします」
絵としても見応えがあり、日本のアニメーションの歴史に触れる展覧会でもあります、と話されていました。

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テープカットには特別ゲストとして「千と千尋の神隠し」の登場キャラクター「カオナシ」が登場!
会場をおおいに沸かせていました。

テープカットの後、展示内容を見ることができました。

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ひとつひとつのレイアウト用紙はA4の紙くらいの大きさ。
その中に枠線があり、それが画面の大きさになるようです。
一枚のレイアウトだけで立派に作品として成立するような緻密な描き込みがなされているのには感激。
こんなに細かく描くんだ、と見入りながら、思わず「あったあった、このシーン!」と映画のワンシーンを思い出してしまいます。
そうか、制作現場ではこんな風に作られていたんだ、と映画の思い出と一緒に現場の空気感を感じました。
画面の中のどの位置にキャラクターがいて、カメラはどのアングルから見ているのか、また、どの方向にカメラが動いていって、キャラクターはどう動くのかといった指示が細かく書かれています。
色分けをする所などは色鉛筆で描かれていて、もちろんすべて直筆の手書き。
スタジオジブリ誕生以前に手がけた作品「アルプスの少女ハイジ」から「風の谷のナウシカ」、そして「もののけ姫」や「風立ちぬ」など、よくぞここまで残っていたなあ、と見ていて時間を忘れます。

実際に一枚一枚動画を描く人や背景を描く人に、演出の意図が伝わらなければいけないものなので、映画で見た絵、そのもののアングルと、実際の作画の描写レベルで描かれています。

実写映画のようにカメラの前で起こる偶然はアニメーションの世界では起こりえません。
たとえば雲が流れたとか、鳥が飛んでいたとか、
そういうのはひとつひとつ、すべて手で描かなければいけないのですね。
その演出意図を他のスタッフに正確に伝える設計図、ということが展示を見ていてよくわかる展覧会になっています。

ちょっと聞くと難しそうな専門用語も、会場内の展示で説明がありますので、それを読むとレイアウトに描かれている指示が「何をしたい絵なのか」がわかって面白いですよ。

劇場でみたあの映画のワンシーンがどのようにしてできているのか、映画を追体験しながら楽しめる展覧会です。皆さんもぜひ、そうそう、あのシーンね! と振り返りながら、アニメーションの現場の空気を楽しんでください。
(月刊ウインド編集部 平淳一郎)

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※写真は取材時に許可をいただいて撮影したものです。
※月刊ウインド9月号に、取材記事「タイラのイラストルポ」を掲載します。

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●「スタジオジブリ・レイアウト展」
http://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/open/
会期: 2016年7月16日(土)~10月10日(月・祝)
開催時間:10時~18時
※観覧券販売は17:30まで
休館日:7/25(月)、8/29(月)、9/26(月)
会場:新潟県立万代島美術館(新潟市中央区万代島5-1 朱鷺メッセ内 万代島ビル5階)
観覧料:一般 1200円(1000円)、大学・高校 1000円(800円)
※中学生以下無料
※( )内は有料20名以上の団体料金
※障がい者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料(受付で手帳提示)
主催:新潟県立万代島美術館、TeNYテレビ新潟、スタジオジブリ・レイアウト展新潟展実行委員会
問い合わせ:新潟県立万代島美術館 電話:025-290-6655