「川村清雄展」開場式&内覧会に行ってきました!

シネ・ウインド

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11月2日(月)、新潟市美術館 開館30周年記念「川村清雄展 古今●東西●混ざり合い」の開場式&内覧会に行ってきました。

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川村清雄(1852-1934)の祖父は初代新潟奉行・川村修就(ながたか 1795-1878)。
開場式には、川村清雄のお孫さんである篠原ふき子さんや、曾孫にあたる方もいらしていました。篠原さんの御挨拶では、子孫ならではのお話を伺うことができました。
内容をご紹介すると、

修就の新潟在任最後の頃に、江戸で待望の男子が生まれたと知らせが入った。修就は孫の教育に関心を持っていて、“育ジイ”のはしりかもしれない。“育ジイ”修就の教育の成果が、その後の清雄の意義ある絵につながったのではないか。清雄は17歳で第16代徳川家達(いえさと)に仕え、明治を迎え海外留学を経て日本に戻った。
ハンサムで性格も明るく、周りの人たちに愛される人だったと聞いている。あまりに世間に疎い人間だったとも思う。結婚と離婚を繰り返した清雄は、60歳になってやっと我が子に恵まれた。それが(篠原さんの)父・川村清衛。清衛が幼い頃にその母は亡くなり、父ひとり子ひとりの生活。70歳を迎えて、皿洗いと子育てを頑張ったようだ。清衛は高齢の父の手伝いをかいがいしくしていた。父・清衛は関東大震災や戦争を乗り越えて、清雄から託された川村家のものを守ってきた。近隣の協力を得たり、庭に穴を掘って土に埋めたり、大変な苦労だったようだ。などなど。

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川村家は、江戸時代のものは新潟市歴史博物館みなとぴあに、明治以降は江戸東京博物館にそれぞれ寄贈したとのこと。江戸東京博物館では2012年に「川村清雄展」が開催されています。
今回の展覧会は新潟市美術館独自のもの(巡回の予定なし)。展示は約150点。最近の研究で真筆と確認された新発田市蔵の「ヴェニス風景」など、これまであまり世に出ていなかった作品も多く展示されているそうです。

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開場式での塩田新潟市美術館館長の丁寧な解説と、内覧会での藤井素彦学芸員の熱のこもった解説から、川村清雄への深い理解と愛情を感じました。
特に藤井学芸員のお話は、わかりやすく噛み砕いた楽しい解説でしたので、展覧会関連イベントの講座や、学芸員のギャラリートークも要チェックです。

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新潟市美術館は、シネ・ウインドと同じく今年30周年。巡回展だけでなく、果敢に独自の展覧会を開催してゆく姿に、シネ・ウインドも頑張らねばと、奮起させられます。
川村清雄の絵の魅力は写真ではわからない、と藤井学芸員。確かにその通り! 皆さんもぜひ足を運んで、ご自分の目で見てみてください。きっと発見がありますよ。

《おまけ》
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新潟市美術館の周りはきれいな秋色でした。

(月刊ウインド編集部 市川明美)

※月刊ウインド12月号に記事掲載予定
※月刊ウインド11月号13ページ、新潟市美術館の広告に藤井素彦学芸員の文章が載っています。あわせてお読みください。

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新潟市美術館 開館30周年記念「川村清雄展 古今●東西●混ざり合い」
http://www.ncam.jp/exhibition/2624/
会期:2015年11月03日(火)~12月20日(日)
※11.25(水)より、一部展示替え
※会期中の休館日:11/9(月),16(月),24(火),30(月),12/7(月),14(月)
開館時間:9:30~18:00 (券売は17:30まで)
会場:新潟市美術館 企画展示室(新潟市中央区西大畑町5191-9)
料金:一般:1,000円 大学生・高校生:800円 中学生以下無料
問い合わせ先:新潟市美術館 電話 025-223-1622
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