おすすめ作品『ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。』

月刊ウインド編集部

12/11(土)~12/24(金) シネ・ウインド上映 ※火曜定休

 ★上映時間→ https://www.cinewind.com/schedule/

 ★劇場受付と公式サイトで13日前より座席チケット販売中 購入はこちら→ https://cinewind.sboticket.net/

 

葛藤、絶縁、そして58年ぶりの再会

人生初の海外旅行は北朝鮮

〇『ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。』のススメ〇

北朝鮮帰国事業。半島北部を「地上の楽園」と宣伝し、南部出身者も含めて約9万3千人もの人々を移住させた、日朝両政府主導の大大的な戦後処理だ。その中には朝鮮籍の男性と結婚した日本人妻も含まれ、政府間の駆け引きの間で存在すら忘れられようとしていた。

取材で度々共和国を訪れていた監督はその過程で、高齢の日本人妻たちの一人、中本愛子の妹、林恵子を探しあてる。自分自身の生活も手一杯の中、姉の哀願調の金品の無心一辺倒な手紙に応じなくなって長かったが、決めるが早いか、えいっと訪朝の旅に出る。58年ぶりの再会だ。そして、今後は自分たちの交流が両政府間の関係に変化をもたらせないかとまで思うようになる。

こんな映画も見ず「自己責任」と冷笑し、常に強い側のつもりになれたら、多分もっと要領よく生きられて、楽しいのかも知れない。でもできない。痩せて深く深く刻まれた無数の皺の奥に、評判の美人だった面影を残す老婦人が、すぐには出てこない日本語に朝鮮語混じりで「両親の墓参りに…チョンマル死んでも死にきれない」と話す姿に、そんな言葉、投げられない。とても。   

(永井美津子/月刊ウインド12月号より)

  

  

2021年 日本 (1時間55分) ドキュメンタリー

配給:日本電波ニュース社 監督:島田陽磨

公式サイト https://chottokitachosen.ndn-news.co.jp/