6/28㈯~7/11㈮ ※火曜休館
2024年 オーストリア
1時間26分
配給:ハーク
監督
ダニエル・ヘースル
ユリア・ニーマン
製作
ウルリヒ・ザイドル
脚本
ダニエル・ヘースル
撮影
ゲラルト・ケルクレッツ
美術
ヨハネス・サラート
衣装
アナイス・ホーン
マーカス・カルコフ
編集・音楽
ゲルハルト・ドーラー
音楽
マニュエル・リーグラー
出演
ローレンス・ルップ
ウルシーナ・ラルディ
オリビア・ゴシュラー
キラ・クラウス
内田珠綺


撃つよ、撃つよ。
ズドンと撃って、救急車。
『我来たり、我見たり、我勝利せり』(=『Veni Vidi Vici』)。この題名は、紀元前47年、共和制ローマ皇帝カエサルが、ポントス王国との戦いに勝利した報せとして、ラテン語で最も有名なフレーズです。この監督コンビは富裕や権力のテーマに拘り、愛情深い家族と人間狩りという何とも知れない事件的な着想を脚本化。ホワイトをキーカラーに美術を設計し、FIX撮影とオーケストラ・サウンドによってスリラーやブラックコメディといった分野の枠に収まりきらない、オリジナルの問題作として異彩を放ちます。オーストリアで男女の共同監督というのもまた珍しいのですが、人々や映画への追求心は天井知らず。きめ細かな映像と容赦のない展開によって鋭利な作家性が突きつけられ、サンダンス映画祭が震撼したという話題作です。
宇尾地米人

映画概要
ミヒャエル・ハネケ、ウルリヒ・ザイドルなど世界に影響を与える巨匠たちに続き、その挑発的な視点、人間に対する深い洞察力を受け継いだ若き才能たちが活躍するオーストリア映画界。監督のダニエル・ヘースルとユリア・ニーマンは、利潤追求と社会的課題の解決の両立が成り立たぬ資本主義システムの結末と、超富裕層の無敵さを最大限に誇張し、残酷な物語を寓話的に描き上げた。ヘースルはザイドルの元助手であり、本作で「狩り」を題材にしたことはザイドルの『サファリ』(16)とのつながりを考えずにはいられない。恐ろしいほど不快なこの物語は私たちの周りで起こりうる嘘のようなリアルを描いている。

あらすじ
起業家として億万長者に成り上がり、幸福で充実した人生を送るマイナート家。一家の長であるアモンは、家族思いで趣味の狩りに情熱を注いでいる。ただ、アモンが狩るのは動物ではない。莫大な富を抱えた一家は「何」だって狩ることが許されるのだ。アモンは「狩り」と称し、何ヵ月も無差別に人を打つ殺し続けている。「上級国民」である彼を止められるのはもはや何もない。一方、娘のパウラはそんな父親の傍若無人な姿を目の当たりにしながら、「上級国民」としてのふるまいを着実に身につけている。ある日、ついにパウラは父親と「狩り」に行きたいと言い出す。
《上映時間》
6/28㈯~7/4㈮ ※7/1㈫休館
〇15:25~17:00
7/5㈯~7/11㈭ ※7/8㈫休館
〇13:55~15:30