映画「ひまわり」を観る会 平和のつどい に参加してきました!

2015年2月18日
シネ・ウインド

web201503ひまわり

3月21日からシネ・ウインドで上映される映画「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」は、沖縄好きの私が絶対見ようと思っている作品です。

上映を前に、2月14日、新潟ユニゾンプラザで「映画『ひまわり』を観る会 平和のつどい 講演とトークセッション」が行われるということで、伺ってきました。

前半は沖縄県民医連の事務局長、比嘉努さんの講演でした。比嘉さんは沖縄戦の惨状や、米軍占領下の27年間、また復帰後も繰り返される米兵による犯罪や事故(「ひまわり」も二つの米軍機墜落事故がモチーフになっています)の多さに沖縄が苦しめられ続けていること、そのような戦争や基地がもたらす大きな負担を未来の子供たちに残さないため、昨年の沖縄県知事選や衆議院議員選挙などでの「オール沖縄」体制が実現したことなどを話されました。

そしてそれらの選挙を通して沖縄県民が辺野古への基地建設にはっきりと反対の意思表示をしたにも関わらず工事が強行されようとしており、辺野古の海やキャンプ・シュワブのゲート前などで抗議行動をする市民を海上保安庁の職員や機動隊が力づくで排除しているという現地の今の様子を詳しく伝えてくださいました。内地のマスコミはあまり報道しませんが、ぜひ沖縄タイムスや琉球新報などのウェブサイト、ツィッターなどで検索してみてください。えぇ?っというような写真、動画がいくらでも見つかります。

休憩を挟んで後半はまず映画「ひまわり」の予告編の上映。10分ほどもあるたっぷりしたPVで、けっこうエッセンスが見られて、トクをした感じでした(^_^)

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そしてトークセッションには及川善弘監督が登場! 「映画『ひまわり』を観る会」の事務局を担当されている青木順子さん(新潟での上映が実現するそもそものきっかけを作った方です)を進行役に、比嘉さん、民医連の若い職員の方お二人が加わりました。

まず及川監督からは沖縄の問題について、「ヤマト」(沖縄以外の日本)の人間はどう思っているのか、米軍基地・安保の問題は日本全国に関わることなのに、遠いところの話、他人事としか感じていないのではないかとの問題提起がありました。

監督は「ひまわり」を撮影するにあたり、1959年6月30日に起きた「石川・宮森ジェット機墜落事故」の証言集を読むとともに、沖縄でたくさんの方からお話を聞いたそうです。その中には当時を知る人ばかりでなく若い人や、反対運動がある中、基地で働いている人などもいて、それを映画の登場人物に当てはめたとのこと。そして映画、特にドラマの力によって、この映画を観る人に沖縄の人の気持ちを伝えていきたい、ドラマには観ている人が登場人物に感情移入したり、想像力を働かせられる力があるので、沖縄以外の人にも基地の問題を自分たちの問題として考えてほしい、と話されました。

地元の若い方二人のうち、大学時代に平和学を学び、ガンジーの非暴力による抵抗という思想の実践が沖縄で行われていることを知って沖縄に行き、普天間基地のある宜野湾市役所に突撃調査をしたことがあるという女性からは、この作品を見て少数派の当事者の埋もれていきそうな意見を忘れてはいけないというメッセージを感じたという感想とともに、出演された若い人たちにこの映画の撮影を通じて変化がありましたかという質問がありました。

それに対して監督から、撮影を進めていくうちに須賀健太さんが、沖縄に来て学ぶことが多かった、沖縄と本土の人をつなぐ架け橋になりたいと言うようになったとのお話がありました。

またもう一人の男性は、1月末に辺野古に行ってきたばかりとのことでしたが、キャンプ・シュワブのゲート前で、車で通りかかった人がわざわざ窓を開けて座り込みに参加している人たちに「がんばって」と声をかける様子を見て、基地反対は沖縄の人たちみんなの思いだと感じた、また米軍施設が生活のすぐそばにあることを実感したなどの沖縄での感想のあと、「能年玲奈さんは本当はどんな人なんですか?」というみんなが聞きたいナイスな質問を。

「ひまわり」は2012年の作品ですが、撮影に入る頃、能年さんはまだブレイク前の新人で、偶然見た清涼飲料水の広告の「笑ってない、不思議な感じ」に監督が惹きつけられて呼んだものの、衣装合わせの時の能年さんはなんだかバタバタして麦茶はこぼすし、歩き方は変だし、と実は不安を感じていたそうです。

ところがいざ撮影に入ると本番直前まで方言指導の方とセリフの練習を繰り返し、カメラの前に立った時には監督が思っていた「沖縄の少女」になりきっていたそうです。素の時と演技の時のチャンネルの切り替えと集中力に驚いたという監督のお話に、フロアからは「ほー」というどよめきが。「あまちゃん」前の能年さんを見られるという意味でも、貴重な作品のようです。

その後、予定時間ぎりぎりいっぱいまでフロアとの熱心なやりとりも行われました。及川監督や「映画『ひまわり』を観る会」のみなさんの、この映画と沖縄や平和への想いがしっかりと伝わる良いイベントでした。

実は私は昨年11月下旬、沖縄に行ってきたのですが、うるま市役所石川庁舎(旧石川市役所)の1階ロビーで、米軍機墜落事故に関する展示を偶然見ました。この事故があったことは知っていたものの、詳しいことは知らなかったので、その悲惨さ、恐ろしさに衝撃を受けました。映画「ひまわり」を見て、何が起こったかだけでなく、それに巻き込まれた人たちの体験や想いを感じ、沖縄にだけ押し付けられてきた問題についてヤマトの人間としてどう向き合い、何ができるのかをあらためて考えてみたいと思います。

(シネ・ウインド ボランティアスタッフ まつい)

image5b 左:及川善弘監督 右:シネ・ウインド井上支配人

 

■映画「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」シネ・ウインド上映は、3/21(土)~4/3(金)。

※主催:映画「ひまわり」を観る会 後援:新潟市教育委員会

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