5/23㈯~6/5㈮ ※火曜休館

とある看護師の1日。終わりの見えない業務をこなしながら、患者やその家族からの声は途絶えない。ひっきりなしに鳴る着信音に医療機器のアラーム音。そしてナースコール。画面越しからでもその場の緊張感が伝わってくる。
本作は展開がとても速く感じられる。主人公が業務をこなしていく姿が、流れるように映し出されていくからだ。ほとんど途切れることなく映し出され、観る側もその流れに巻き込まれていく。
そのスピード感の裏側には、現実の厳しさがある。
ここは病院、自身の行動ひとつで患者の命を危険に晒してしまうかもしれない。行動の責任が重くのしかかってくる。それにも関わらず現場の人手は十分とは言えない。事情を知らない患者達は、看護師に苦言を呈する。彼らは、単に思い通りの治療を受けられないから怒っているのではなく、病気や治療に対する不安やストレスからぶつける先がなく、看護師たちに向けてしまっている。看護師たちは、それを受け止めながら目の前の業務を続けていく。
そうした姿を見ると、ホスピタリティとはどこからどこまでを指すのだろうかと考えてしまう。


また、本作では音の使い方も印象に残る。画面から流れてくる音は一定のリズムを刻み、それは、時計の針が動いている音のようでもあり、心臓の音のようにも聞こえてくる。無常に刻まれていく音は、無機質で空しい。
そして、何より1日は特別な日ではないということ。描かれているのは、ありふれた1日であること。ぜひ、今作を通して医療現場の悲痛な声に耳を傾けてみてほしい。
(上映企画部 C.M)
