『プラハの春 不屈のラジオ報道』

2026年1月2日
若槻

1/17㈯~1/30㈮ ※火曜休館

2024年 チェコ・スロバキア合作
2時間11分
配給:アットエンタテインメント

監督・脚本
イジー・マードル『海へ行こう!』

製作
モニカ・クリストロバー

撮影
マルティン・ジアラン
『アウシュヴィッツ・レポート』

編集
フィリプ・マラーセク

美術
ペトル・クンツ

衣装
カタリーナ・シュトルボバ・ビエリコバ
『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』

音楽
サイモン・ゴフ

出演
ボイチェフ・ボドホツキー
スタニスラフ・マイエル
タチアナ・パウホーフォバー
オンドレイ・ストゥプカ

人間の声、暴力の轟音

 リスナーからのメッセージを取り上げ、その声に寄り添い、そっと背中を押すパーソナリティ。眠れぬ人々に安心感をもたらす『ラジオ深夜便』。タクシーの車内で小さく流れるあの頃の歌。現在のラジオがもたらしてくれるのは、そのようなどこか温かみのある小さなコミュニケーションだろう。

 それに対し本作が映し出すのは、ラジオがひとつの国を巻き込んで熱く燃えあがった時代だ。冷酷な権力に抵抗するラジオ局員たちの闘志が電波に乗り、人々を街頭へと繰り出させ、時代のうねりとなってゆく。戦車と銃の耳を突く轟音とラジオから流れる声の対比がとりわけ印象的だ。いつの時代もラジオは人間の声を届けてきたのかもしれない。その温かみを劇場の音響で耳に残したい。

伊藤潤一郎
月刊ウインド2026年1月号より

「真実の放送」に命を懸けたラジオ局員たち

 1968年、チェコスロバキアでの民主化運動とその後、何が起こったのか。そして真のジャーナリズムとは―――。

 チェコ版の原題は『Vlny(Waves/波)』。移り変わる社会情勢と、意図せずスパイ任務を背負うことになった主人公トマーシュの葛藤、そして軍事侵攻、息もつかせぬ駆け引きと攻防―――。まさに波のように押し寄せる、傑作政治サスペンス。

 当時”西側”で流行していたポップスやロック・ミュージックが自由の象徴であるかのように流れ、一瞬だけ画面に映り込むロックバンドのポスターが重いメッセージ性を帯びている。

軍事制圧下の局面でラジオ局が下した勇気ある決断。報道の役割とは。メディアの矜持とは。現在の日本社会にも重要な問いを突きつける。

中村理奈
月刊ウインド2026年1月号より

上映時間
1/17㈯~23㈮ 〇10:00~12:20
1/24㈯~30㈮ 〇18:30~20:50