上映企画部だより 2025/5/11

若槻

シネ・ウインド上映企画会議 毎週土曜19時~

 ゴールデンウィーク中の4/29㈫

 シネ・ウインド会員を対象とした試写会を行いました。上映企画部で思案している外国映画、これがシネ・ウインドのスクリーンに相応しいか、その日程と時間帯における開映で適切かどうか、感想や意見を募るものです。普段、毎週土曜日に部員が集まって、これまでとこれからの上映についてあぁだこぅだと話し合っているわけですが、より多角的な視点を参考にしつつ、納得のいく開映へと結果が出せるようにという試みです。私が上映企画部に属して8年ですが、初めてのこととなります。

 シネ・ウインド関係者試写会というかたちとしてもらいまして、決定している事項ではありませんので題名は明記しませんが、20名のシネ・ウインド会員に参加してもらい、予告編、本編試写、意見発言の機会となりました。それなりの時間をかけながらこのスクリーンに相応しいだろうと選出している候補作品ですが、いざ試写をしてもらい、沈鬱な盛り下がりとなったらどうしようかと、胃腸不全と免疫システム過剰反応の兆しに独り苦しみました。映画監督や製作スタッフの方々は仕事の都度、これと比較にならないような緊迫の局面をもって映画が出来ていることを考えると、私にはとても務まりそうにありません。つくづく映画業界へ本気で進んでいなくて良かったな、と。

 幸い、映画本編の感想としては概ね好評、とみて良さそうだったと思います、たぶん、絶対。ああもう充分ですラクになりたい。そこから私より遥かに長くシネ・ウインド含む映画館に関わり続けているスタッフ、会員の方々から映画の内容や上映企画の意図を考慮してもらったうえで、「このあたりを再検討でどうか」「こういった方向で考えていったらどうか」と提案いただく機会となり、大変有難かったです。成程こういった試みこそ行き詰まりや逆境を打破するためというか、この映画館がより良い施設となるために貴重な機会となったと思います。

 同時にこの機会は映画館シネ・ウインドの個性と課題を痛感する場でもありました。ボランティアスタッフに属して数か月という若い方々にも参加いただいたのですが、彼らにとって思考や発言を気ままに行える空気が出来上がっていないとも思いました。これからも映画や上映に関わっていってもらいたい若者たちに余計な緊張感をもたらしてしまったこと。話し合いに公平性が保ちきれなかったこと。本来なら立案者として柔軟に対処しなければならないところ、能力と配慮の不足で進行が行き届かないこととなり、大変申し訳なく思います。これが心残りとなってしまい、私の責任であります。この機会のために時間を割いて足を運んでもらっておきながら、満足で有意義な時間をもたらせなかった方々へまず報いることから、この試写会の結果をはじめ、7月以降の上映スケジュールに向き合っていこうと考えております。この度は試写会の機会と参加をありがとうございました。

若槻健人