『スノードロップ』【自殺防止活動としての映画上映】

若槻

3/7㈯~3/20㈮ ※火曜休館

2024年 日本
1時間38分
配給:シャイカー

監督・脚本
吉田洸太『終点のあの子』

プロデューサー
後藤剛『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』

撮影監督
関将史『サーチライト 遊星散歩』

録音
森山一輝『無情の世界』

美術
岩崎未来『ネムルバカ』

衣装
高橋英治『この場所』

メイク
前田美沙子『爆心 長崎の空』

出演
西原亜希『ルノワール』
イトウハルヒ『forget-me-not』
小野塚老『カオルの葬式』
みやなおこ『ふまじめ通信』

自殺防止活動としての映画上映

 コロナ禍後、自殺防止活動としての映画上映を再開して3年目。今回は3月の2週にわたり吉田洸太監督「スノードロップ」を上映し、関係各位をお招きして上映前後に普段の活動について語っていただく。

 本作は、吉田洸太監督が実在の事件、さらには監督自身の経験を基にして、生活保護をめぐる人々の葛藤を描いたドラマである。物語は、長年失踪していた父・栄治が突然帰宅し、直子と認知症の母・キヨとの三人暮らしが始まるところから幕を開ける。そして十年後、栄治の持病の悪化により仕事ができなくなり、一家は生活保護の申請を検討し始める。娘の直子は几帳面に提出書類を用意し、ケースワーカーの親身な支援により受給決定は目前になるが、その夜に父が放った決定的な一言が、家族の運命を予想外の方向へと導いていく。

 本作が鋭く描くのは、社会のセーフティネットが必ずしも個人や家族の尊厳を守るとは限らないという残酷な事実だ。同時に本作では、生活保護を受ける側の苦悩だけではなく、支援を行う行政側の苦悩をも描いており、立体的な描写に仕上がっている。本当の意味での人への支援とは、どうあるべきなのだろうか。本作の上映期間中に登壇する福祉の専門家たちがきっと彼らなりの思いを語ってくれることだろう。

 タイトルの「スノードロップ」という花は、ちょうどこのイベントの行われる時期、厳しい冬が終わりを告げる頃に清楚な白い花を咲かせる、希望の象徴である。誰の身にも起こりうる生活困窮や絶望の中に、どのように希望を見出していけるのか、明かりを灯していけるのかを本作を見て考えていただければと思う。

新潟・市民映画館鑑賞会事務局
石本政人
月刊ウインド2026年3月号より

上映時間
3/7㈯ 〇14:40~16:40 ☆上映前トークあり
3/8㈰~13㈮ 〇14:40~16:30
3/14㈯~20㈮ 〇10:00~11:50