月刊ウインド2016年3月号(366号)

2016年2月26日
シネ・ウインド

201603wind

表紙は「知らない、ふたり」(3/19~4/1上映)。
「サッドティー」の今泉力哉監督が描く、7人の男女の恋のすれ違い。やきもきしに、いらしてください!

3月のシネ・ウインド上映作品の紹介&時間を完全掲載。

特集は「シネ・ウインド30年オールタイムベスト」「シネ・ウインド会員選出ベストテン2015」「シネ・ウインド演劇賞2015」と、毎年好評「2015年の映画を振り返る座談会」。
ご応募ありがとうございました。いよいよ結果発表です!
ベストテンの順位や演劇賞の各賞はHPにも掲載しましたが、作品に寄せられたコメントや授賞理由を、誌面でじっくりお読みください。
「シネ・ウインド30年オールタイムベスト」→ https://www.cinewind.com/ed-news/30-17/
「シネ・ウインド会員選出ベストテン2015」→ https://www.cinewind.com/ed-news/2015-4/
※アンケートの集計は、月刊ウインド4月号に掲載します。
「シネ・ウインド演劇賞2015」→ https://www.cinewind.com/ed-news/2015-5/

他に、注目の舞台「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」(3/9、りゅーとぴあにて公演)作・演出 谷賢一インタビュー、衝撃の展開「リアルタイム・メヒコ月刊ウインド版」(高橋景子)など。

様々な催しの100文字感想「ピックアップレポート」や、音楽・アート・演劇など情報満載の「ピックアップ情報」も要チェック!
コラムニストでアルビレックス新潟ウォッチャー えのきどいちろうさんの「どうしてこんなに映画なんだろう」、好評連載中!

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《もくじ》

1~2 スケジュール表 料金表 もくじ
3~11 シネ・ウインド インフォメーション
想田和弘 観察映画大全「選挙」「精神」「演劇1」「演劇2」「選挙2」
「放射線を浴びたX年後 2」
「犬に名前をつける日」
貸館 浅田英一特技監督と観るゴジラ
「アンジェリカの微笑み」
「波伝谷に生きる人びと」
「パリ3区の遺産相続人」
「サウルの息子」
「やさしい女」
「暗殺の森」
「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」
「フリーダ・カーロの遺品――石内都、織るように」
「知らない、ふたり」
「マルガリータで乾杯を!」
シーズン・オブ・レイ「チャルラータ」「ビッグ・シティ」
12   事務局通信
13~14 シネ・ウインド30年オールタイムベスト
15~16 シネ・ウインド会員選出ベストテン2015
17~20 2015年の映画を振り返る座談会
21   リアルタイム・メヒコ 月刊ウインド版3
どこにも無い場所116 鈴木良一
22   演劇「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」作・演出 谷賢一インタビュー
23~24 発表! シネ・ウインド演劇賞2015
25   どうしてこんなに映画なんだろう 34 えのきどいちろう
あ・ら・かると *東区の隠れた名品展
記憶の箱から 114 福島市男
26   ウインド あ・ら・かると
*Noism「カルメン」再演 リハ&本番
*アナタにツナガル展
声風―SEIFU―
27~28 ピックアップ情報
南の果てより愛をこめて325 恩田雅和
29   ピックアップレポート 編集後記
猫と暮らして その30

《スタッフコメント》
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2016年は坂口安吾の生誕110年目。私が事務局を務める「安吾の会」を始め、各地でイベントが企画されているが、それらについては折々にお知らせしたい。

最近、思いがけず“安吾”に出逢う機会が続いた。横浜聡子監督による映画化でも話題になった戌井昭人氏の連作短編小説『俳優・亀岡拓次』。ミニシアターファンなら、「あの役者がモデルかも」と想像させられる名脇役俳優・亀岡が各地の撮影現場を転々とし、現地の居酒屋で酒を楽しみつつ仕事に臨む姿を描いた好編だ。その第2巻『のろい男 俳優・亀岡拓次』(文藝春秋)の伊東ロケ編で、亀岡が以前出演した映画を回想する場面がある。その名も「無頼のタンゴ」。安吾の半生を描いた映画だそうだが、亀岡の役どころは「石神井の檀一雄邸へ、安吾が注文したカレーライス100人前を、何往復もして届ける出前持ち」。安吾ファンなら爆笑モノの設定だが、亀岡が大学時代に安吾作品を読み、篠田正浩監督の「桜の森の満開の下」の岩下志麻が大好きという描写など、戌井氏も安吾ファンとお見受けした。

そして私が91年のリメイク版以降偏愛する「ひょっこりひょうたん島」を、1964年に企画した元NHKの武井博氏の新著『泣くのはいやだ、笑っちゃおう ひょうたん島航海記』(アルテス・パブリッシング)にも“安吾”が登場する。武井氏は安吾ファンを自認し、軍国主義から民主主義へ無反省に転身した大人たちに不信を覚えた青年期、安吾作品に強く惹かれたという。あの井上ひさしが安吾を読んだのも、武井氏の自宅にあった『坂口安吾全集』を目にしたのが契機だそうな。安吾と井上ひさしが“現代の戯作者”を目指した点に共通性を見出す分析にも、唸らされた。

(話は横道に逸れるが、武井氏の著書で「ひょうたん島」愛がぶり返し、博士役・中山千夏さんの大著『芸能人の帽子 アナログTV時代のタレントと芸能記事』(講談社)も読み始める。天才子役として脚光を浴びた千夏さんが、「ひょうたん島」の収録現場で今までに無い知を吸収し、太宰治やドストエフスキー、フェリーニなどを知ってゆく姿。さり気なく触れられた初恋。多彩に活躍する千夏さんの原点を垣間見るようで、目頭が熱くなった。)

まさかここで安吾さんと遭遇するとは、という驚きと喜び。安吾生誕110年の充実と多忙を予感させられる。  (久志田 渉)

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