編集部 ‐ 5月ってかんじだ

TAKEI Ryo

5月号が手元に届く。ぱらぱらと見返して「あら、この不自然な余白はなんだったかしら」とおでこをぺちんと叩いたりした(昭和か)。

6月号のレイアウト作業に取り掛かっている。校正開始まであまり日がない。

某家具屋さんで買った本棚の組み立てを放置している。趣味でやっている演劇の、リーディング公演が5月4日に急きょ決まっている。「パパ早く帰ってきて」と娘が言ったり言わなかったりする(サンリオのキャラクターをたぶん全部、いっしょに模写するつもりだ)。「カレンダーに予定を書いておいて」と何回も妻から言われている。観たかった映画はひっそりと上映回数を減らし、終わっていく。タイヤ交換の予約日はいつだ。娘の運動会はいつだ。その前に家族の誕生日はいつだ。

先日、自宅の玄関の扉を開け放って仕事に行った。テレビやエアコンをうっかりつけっぱなしにして出かけることは稀にあったが、玄関全開は初めてだ。近所の人は驚いたことだろう。ぼくも同じくらい驚いた。

こんな時なのだと思う。人が旅行に行きたいと考えるのは、こんな時なのだと思う。月刊ウインドにも時々誰かの旅行記が載る。あれは誰かの特別な、大事な、必要な時間なのだ。

5月ってかんじだ。