5月の花嫁学校

5月の花嫁学校
2021/8/148/27
5月の花嫁学校

 1967年。美しい街並みとぶどう畑で有名なフランスのアルザス地方。小さな村にあるヴァン・デル・ベック家政学校に、18人の少女たちが入学した。校長はピンクのスーツを粋に着こなすポーレット(ジュリエット・ビノシュ)。経営者は夫のロベール(フランソワ・ベルレアン)だ。講師陣は迷信を信じる修道女、マリー=テレーズ(ノエミ・リヴォウスキー)と、ポートレットの義理の妹で料理長のジルベルト(ヨランド・モロー)だ。2年間で完璧な主婦に変身させる授業は、女性解放運動の風を感じる少女たちには時代遅れで、納得できないことばかり。美容師になりたい、法律を勉強したい、親が決めた結婚なんてしたくないと反発しながらも、お金も学歴もない彼女たちは大人の決めた道に進むしかなかった。
 ある日、莫大な隠れ借金を遺してロベールが急死した。日々、夫の事業を支え、夜のお勤めにも渋々おつきあいしていたのに、こんなひどい仕打ちが待っていたとは……。ポーレットは破産寸前の学校を救うために、取引先の銀行に駆け込む。そこで待ち構えていたのは、第2次世界大戦で彼女と死に別れたはずの恋人、アンドレ(エドゥアール・ベール)だった。30年振りの再会に興奮を隠せない彼はウルトラC級の解決法を提案。ポーレットを破産危機から救出し、心の奥にしまっていた情熱に火をつけたのだった。
 学校再建に必死なポーレットは経営を学ぶうちに、ロベールが前時代的な考えで自分とジルベルトを家に縛り付けていたことに気づく。そして、ある生徒の1人が起こしたトラブルをきっかけに、ポーレットと生徒たちは自分らしい生き方に目覚めていくのだった。
 折しもパリを始めフランス全土では、社会変革を求める五月革命が勃発し、大混乱に陥っていた。ポーレット率いる新生ヴァン・デル・ベック家政学校の運命やいかに!?