サポート・ザ・ガールズ

サポート・ザ・ガールズ
2023/4/225/5
サポート・ザ・ガールズ

日常の生活に蔓延する女性蔑視と人種差別に、友情と信念で立ち向かう女性たちを描き出した『サポート・ザ・ガールズ』は“マンブルコアのゴッドファーザー”とも名高いアンドリュー・ブジャルスキーがメガホンを執った。
一見「どこにでも存在する」、だが誰もが知っている「違和感」をパワフルかつユーモラスに切り取った本作は、SXSWを皮切りに世界中の映画ファンを魅了。毎年発表されているオバマ元大統領が発表するフェイバリットにも選出された。

俳優陣たちの演技は見事ながら、主人公リサを演じたレジーナ・ホールの存在感は群を抜き、ニューヨーク映画批評家協会賞の主演女優賞をはじめ、数々の映画賞を受賞・ノミネートを果たした。
そんな俳優たちの確かな演技と、見過ごされそうな些細な差別や偏見を丁寧に切り取ったアンドリュー・ブジャルスキー監督の手腕が見事に合わさった本作は、まさしく“現代のガールズパワームービー”と呼ぶにふさわしい傑作映画である。

リサ・コンロイ(レジーナ・ホール)は高速道路沿いにあるスポーツバー、ダブル・ワミーズでマネージャーを務めていた。 彼女は高圧的で人種差別を行う店のオーナーであるカビーに嫌気がさしており、また日常的に行われる客からの従業員の女の子たちへの嫌がらせやセクハラなどへの対処に頭を悩ませているが、その面倒見の良さから従業員や常連客からの信頼は厚い。

ある日、リサは暴力的な彼氏との間で揉め事を起こし裁判沙汰になっている店員のシャイナ(ジャナ・クレイマー)のため、「シスターフッド・ファンド(姉妹のための募金)」と名付けた洗車サービスを開始するも、カビーからその違法なサービスを咎められ、募金で得た金を全て没収されそうになる。

かねてよりそりが合わない二人はぶつかり合い、ついにリサはガビーからクビを言い渡される。しかし彼女を慕うメイシー(ヘイリー・ルー・リチャードソン)やダニエレ(シャイナ・ マクヘイル)らの店員は、リサの解雇に反発し、スポーツバーが賑わう格闘技の試合がある夜にストライキを画策するのだが…。