シンプルな情熱

シンプルな情熱
2021/9/119/24
シンプルな情熱

「昨年の九月以降、私は、ある男性を待つこと̶
彼が電話をかけてくるのを、そして家を訪ねてくるのを待つこと以外、何ひとつしなくなった」

パリの大学で文学を教える教師のエレーヌ。あるパーティで、年下で妻帯者のロシア外交官アレクサンドルと知り合い恋に落ちる。自宅やホテルで逢瀬を重ねるたびに、彼との抱擁にのめり込んでいくエレーヌ。映画館やスーパーマーケットへ行き、大学での授業、読書も欠かさなかたったが、それは長い年月の習慣がそうさせただけで、現実感はまるでなかった。我を忘れ、彼の電話を待ちわびる日々のなか、関係に少しづつ変化が訪れる…