月刊ウインド2015年 2月号(353号)

2015年1月25日
シネ・ウインド

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2月号の表紙は、〈安藤サクラ応援月間〉第一弾、第一回「松田優作賞」脚本賞グランプリ作品、
傷だらけの恋と闘いの物語「百円の恋」(1/31~2/27上映)。
第88回キネマ旬報ベスト・テン「百円の恋」8位受賞! 安藤サクラさん主演女優賞受賞!

2月のシネ・ウインド上映作品紹介&時間を完全掲載!!

「30年目記念インタビュー」第3弾は、コラムニスト えのきどいちろう さんの登場です。
アルビレックス新潟ウォッチャーで、月刊ウインドにて「どうしてこんなに映画なんだろう」連載中。
シネ・ウインドとのかかわり、転校生だった子ども時代のこと、映画のこと、ライターとしてのモチベーション等、たっぷり語ってくださいました!
どうぞじっくりお読みください。

他にも、「開館記念日&30年目突入!」イベント報告、「『窓から逃げた100歳老人』出版&映画公開記念講演」や
「第2回まちづくり講座」レポート、「第9回安吾賞発表」取材記事や、「ゴーストハウス上映会」、
「Noism1『ASU』リハ取材&本番」の感想、井上支配人による「日本最後の大劇場 新宿ミラノ座の閉館」等、読みどころ満載!

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《もくじ》

1~2 スケジュール表 料金表 もくじ
3~12 シネ・ウインド インフォメーション
「滝を見にいく」
「至高のエトワール~パリ・オペラ座に生きて~」
「百円の恋」
「0・5ミリ」
安吾映画祭2015
「白痴」「戦争と一人の女」
「BUNGO~ささやかな欲望~告白する紳士たち」
フランソワ・トリュフォー特集
「大人は判ってくれない」「突然炎のごとく」「終電車」
「ダバング 大胆不敵」
「シャトーブリアンからの手紙」
「わたしたちに許された特別な時間の終わり」
ジョン・フォード特集
「駅馬車」「静かなる男」
13~14 事務局通信
15   イベント報告
*開館記念日&30年目突入!
記憶の箱から 102 福島市男
16   映画とともに
*『窓から逃げた100歳老人』出版&映画公開記念講演会
どこにも無い場所105 鈴木良一
17   映画とともに
*第2回まちづくり講座に参加して
30年目プロジェクトキャッチコピー決定!
18  あちらこちら安吾
*第9回 安吾賞発表! *安吾忌
19~21 シネ・ウインド30年目記念インタビュー
第3弾 コラムニスト えのきどいちろう
22~23 ウインド あ・ら・かると
*「ゴーストハウス」上映会のワクワク
*Noism1「ASU」リハ取材&本番
*日本最後の大劇場 新宿ミラノ座の閉館
「LIFE-mag.vol.007」を読んで
24   サウンドトラック隊の映画音楽講座78 島田幸市
25   どうしてこんなに映画なんだろう 21 えのきどいちろう
劇団ASK DVD発売に寄せて
猫と暮らして その17
26   声風―SEIFU―
南の果てより愛をこめて312 恩田雅和
27~28 ピックアップ情報
29   ピックアップレポート 編集後記
《スタッフコメント》
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シネ・ウインドでも販売中の「新潟文化批評誌 風だるま61号 にいがた文化マガジン ばらくて13号 共同発行誌 ばらだるまVol.1」(500円)に掲載された、にいがた映画塾・井上朗子さんの「映画から遠くはなれて③ 橋をわたった」という私小説に、胸を揺り動かされた。“新潟の寅さん”とも称された元映写技師・エムラボンさん(07年逝去)との不思議な交友と、揺蕩うような散歩のひと時が綴られているのだが、エムラさんと再会したような喜びと、もうこの人には逢えないんだなぁ、という実感が込み上げ、通勤途中のバスの中でちょっぴり感極まってしまった。
私は04年にエムラさんと出逢ったが、当初は滔々と映画監督との思い出や、買ってきたばかりのDVDを自慢することばを上手く聞き取ず、何となく相槌を打っているだけだった(齋藤代表は愛情を込めて“歯モゲジジイ”と言ってたっけ)。それでも少しずつ仲良くなり始めた矢先の07年1月3日、エムラさんは彼岸へ旅立った。
ある日「おいクシダくん、飯喰いに行こう」と声がかかり、新潟では有名な某カレーライスをふたりで食べに出掛けたが、食事中ずっと「旨くねえなぁ。ここのカレーはダメなんだよ。俺が作るカレーの方がずっと旨い。カレールーをブレンドするんだよ」と語り続け、エムラさん同様あのカレーが苦手な私は妙に嬉しかったものだ。
06年の冬、新潟絵屋での堀川久子さんの舞踏公演に鈴木良一さんが詩の朗読で参加した折、エムラさんとふたりでウインドから萬代橋を渡り、まだ曳家移転する前の絵屋までとぼとぼふたりで歩いて行った。ぼんやり進む内に、エムラさんは息が切れた様子で「ちょっと休もう」と言い出し、中央公民館のロビーでひと休みすることに。今から思えば、エムラさんの身体は大分弱っていたのだろう。22歳になったばかりの私は、歩き疲れるということをまだ知らなかった。
30歳を越えた私は、相変わらず新潟の街をスタスタ歩いているが、時々エムラさんもこうしてひとり街を眺めていたのかなぁ、と立ち止まってしまう。ウインドが無ければ、この不思議なオジサンと友達になることはなかった筈だ。30年を迎えるウインドを、エムラさんも遠くから見守っているだろう。
(久志田 渉)

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(月刊ウインド編集部 市川)