塩田時敏さんは、リンチやクローネンバーグ、ギャスパー・ノエ、アレックス・コックス等の世界のカルト作品に造詣が深く、誰も注目していなかった頃の韓国映画や、滝田洋二郎や金子修介等、ピンク映画やロマンポルノの才能たちにいち早く注目してきた、気鋭の映画評論家のひとりだ。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のプログラムディレクターも務めている。
そんな塩田さんが初の劇場用映画の監督を務めたのが、本作「りりかの星」である。黒沢清作品等でおなじみの名手・芦澤明子によるフィルム撮り、そしてセリフなしのサイレント、30分弱の短編という、異色なフォーマットで、このあたりから、カルト評論家・塩田氏の面目躍如である。
18歳の誕生日を迎えた高校生の少女が、「わたしストリッパーになる!」と父親に宣言することから始まる本作は、父と娘の確執を描く父娘ものでもある。この娘に扮するのは、アダルトビデオのマドンナレーベルで人気沸騰の水戸かな。 正直、この熟した肢体やお色気で高校生役はどうなの? という感じがしないでもないが。 父親役は、塩田監督が敬愛する、「ヴァイブレータ」や最近では「月の満ち欠け」等を発表しているベテラン・廣木隆一監督。塩田さんは廣木監督の「800」や「MIDORI」に俳優として出演している。そのお返しとでもないが、この或る種面倒くさい役柄に誠実に取り組んでいる。更に、やはり塩田監督が敬愛する、日本のカルト映画の第一人者・三池崇史監督も、あっという役柄で出演している。そして、注目のストリップシーンは、自身がストリッパーとして活躍するセクシー女優の小室りりか。彼女の踊りに大注目!
39周年祭企画「りりかの星」
2024年11月24日(日)~11月29日(金)
※ 11月24日(日)15:00の回上映後、塩田時敏さん(監督)&廣木隆一さん(出演)トーク
★料金 一律1000円
※ チケットはオンライン座席予約サイト(コチラ)で購入できます(カード決済のみ)。また劇場窓口でもお買い求めいただけます
※ 各種招待券は使用不可
※ 補助席は通常座席完売後、窓口でのみ若干数販売します