ポンヌフの恋人

ポンヌフの恋人
2026/4/114/24
4/18(土)上映なし
ポンヌフの恋人

天涯孤独で不眠症の大道芸人アレックス(ドニ・ラヴァン)と空軍大佐の娘だが失恋の痛手と眼の奇病による失明の危機で家出した画学生ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)。ホームレスとなった二人がポンヌフで出会う。パリの真ん中のシテ島をまたいで両岸をつなぐセーヌの最も古い橋だ。アレックスの庇護者ハンス(クラウス=ミヒャエル・グリューバー[1941-2008]ドイツの舞台演出家)とともにこの橋で二人が体験する波瀾万丈の究極の恋愛ドラマ。カラックスが見つめる二人の感情の軌跡は、失意と闇からはじまり、息もつかせぬスビードで希望と生命へと疾走し、回転し、転落していく。愛を告白できないアレックス、過去の初恋に生きるミシェル。その二人が破局を乗りこえ、とことんまでこの愛を進んでいこうとするラストは深い余韻を残す。
 ゾルタン・コダーイの地の底から響くようなチェロ・ソナタにはじまり、リタ・ミツコのエンディングソング(オリジナル)に至る絢爛たる音楽の響き(デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、パブリック・エネミー、アルヴォ・ペルト、ベンジャミン・ブリテン、ショスタコーヴィッチ、ヨハン・シュトラウスから、ハンスが口ずさむマーラーまで)。革命200年記念日の夜の鮮やかな打ち上げ花火、セーヌを疾走する水上スキー、火吹き芸人の炎、めらめら燃え上がるポスター、雪の降りしきるクリスマスの再会…。パリの街の表情を生き生きと捉えながら、贅沢な光と音のスペクタクルが観客の目と耳を圧倒する。